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敬倫塾からの提言

2010年11月15日号

 私は10月9日から私立中学入試の算数の過去問を生徒に指導しています。今年の受験生は全部で6人です。東海中学のほかに2つの私立中学の入試問題の攻め方を指導しています。
 さて、皆さんは東海中学についてどのようなイメージを持っておられるでしょうか。この地域で、最難関の中学だと思っておられる方がほとんどと思います。それはその通りですが、実は国公立大学医学部への合格実績が全国 No.1なのです。高校2年生は10クラスに分けられ、そのうち、8クラスが理系クラス、2クラスが文系クラスだそうです。更に、理系8クラスのうち3クラスが、主に医学部を目指す人達のクラスです。東海高校は全国屈指のエリート高校生をつくっている学校といえます。ところが、入学をきっかけに勉強しなくなる子もいます。そういった子ども達でも、転校という最悪の事態を考える必要はない様です。そのため、超底辺になってしまった中・高生でも、塾や家庭教師を利用して頑張ろうとしない人がいるそうです。できない子のお尻をたたいて勉強させることには感心しませんが、こういう中高生のいいところをよみがえらせることはできないのかと残念に思います。
 さて、東海中学の入試問題についてですが、はっきり言ってちょっとやそっとの知識ではほとんどの問題は解けません。私は80分の授業をするために、8〜10時間の準備をしています。入試問題を解くこと、解説の仕方を考えること、類題を提供することが3つの準備です。この問題は難しそうだからと思って類題を用意しておいたのに、生徒達が簡単に解いてしまうことがあります。そのときは、がっかりしますが、同時に逞しさを感じます。
 ところで、椙山中学の入試問題ですが、最近の2カ年については、かなりの文章読解力が必要だと思います。短時間で多くの問題を計算ミスなしで解いていかない限り、時間内で全問正解は不可能です。
 正確な計算力と問題の意味をきちんとつかめる読解力、この2つがなければ私立中学入試の算数は歯がたちません。これから私立中学の受験を目指す人達は、夢が本物となるように実力をつけて下さい。教科書レベルのことはすべての小学生に要求されている当たり前のことです。夢は自分の力で本物となるのです。

敬倫塾塾長 加藤敬志
2010年11月15日号