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敬倫塾からの提言

頑張り次第で道は"拓く" 2010年10月15日号

 私が先月、卒塾生からもらった本は、なかなか興味深いものでした。「拓 HIRAKU」と名付けられたその雑誌は早稲田大学のOB達が編集しているものでした。巻頭には5人の合格体験談が載っており、その内3人は早稲田大学に合格した人達のものでした。彼ら(男3人、女2人)はいずれも現役合格者ではありません。そのうちの1人のYさんは、ちょっと特異な存在でした。Yさんについて少し書きます。

 Yさんは、元暴走族のメンバーでした。高校卒業後、一旦は就職し、20歳の9月20日に、大学受験を目指しました。たった4ヶ月、必死に勉強し、国学院大学に合格しました。そして、代々木ゼミナールのNo.1国語教師となりました。今は代ゼミ以外のところで活躍していますが、受験界の神様的な存在となっています。彼の学生指導には厳しいものがあるようです。自分が真剣になって勉強した4ヶ月余が、自分の人生の誇りだと思っています。だから、自分の講義を真剣に聞かない者には、強い態度に出ると聞きました。

 また、合格体験談を寄せた5人中3人は、Yさんを含めて決して有名な進学校出身者ではありませんでした。高校卒業当時は、偏差値30台でした。それを短い人では6ヶ月以内、長い人でも10ヶ月間、必死になって勉強しました。他の2人にも共通して言えることは、大きな夢を持ち、人から何を言われても、ちゃんと取り組めば絶対に合格できると自分に言い聞かせていたことです。また、人から、自分の可能性を決めつけてもらいたくないという気持ちを持ち続けていたことです。

 オリンピック選手や世界的に有名な芸術家になる可能性に比べれば、東大に合格できる可能性は、比べることができないくらい大きいと言っています。

 私達の周囲では、自分の頑張り次第でどうにでもなることがあります。受験のための勉強はその典型ではないでしょうか。


敬倫塾塾長 加藤敬志
2010年10月15日号