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敬倫塾からの提言

高校生、理想の数学指導  2008年6月15日号

 私は長年、数学の指導について悩んできた。他の教科もそうであるが、中学までは、公立ならば使用教科書はどこも同じだ。ところが、高校になると千差万別といってよい。また、たとえ同じ教科書を使う高校であっても、進み方等は決して同じとは言えない。特に数学の教科書は種類も多く、また副教材も様々である。また、向陽高校は、スーパー・サイエンスハイスクールに認定されているので、あるクラスだけ数学の指導が異なっている。
 問題はそれだけではない。小学校、中学校でも数学が得意な者とそうでない者との学力差は大であった。高校進学後、その学力差は更に広がる。ところで、数学は他の教科と比べ、解けたときの喜びはとても大きい。一方、苦手な人達にとってはどんどんやる気を失くしてしまっている。  高校の数学は、中学の数学と比べ奥が深いからだ。
 私は高校1年生になった当初から、数学をきちんと勉強し始めれば大得意になれると思う。 また、一旦わからなくなってしまっても、基礎からきちんとやり直せば、必ず得意科目にできると思う。それを可能にするには、次のような方法が最適だと思い、教材作りを今年の初めから行ってきた。 4月から新しい指導を始めている。数学を得意科目にしたいと思っている人で、現状が次のような人は、 ここらで是非、考え方を改める必要があると思う。
・教科書の内容をほとんど理解できない。
・教科書の例題は何とか解けるのだが、演習問題や章末問題は解くのが大変だ。
・定期テストでは学校の指定教材から多く出るのだが、それを解くのに時間が多くかかっている。
・公式がなかなか覚えられない。
 難関大学への進学を果たすためには「青チャート」の「主要例題」が理解できるような力が必要だ。 そのレベルまで達するため、次のような学習を勧める。
(1st step) 標準的な教科書を用いて、語句や例題を完全にマスターする。(塾のM教材を使用)
(2nd step)教科書傍用レベルの教材を、ヒント等を基にしてどんどん解いていく。(塾のL教材を使用)
(3rd step)学校で指定された問題で、わからない問題や解くのに時間がかかった問題を集中的に学習する。(個別指導時に質問する。または、クラスの講義指導に参加する)
 ここで、最も能率の悪い勉強方法について触れる。  十分な理解がないのに、いきなり学校の指定問題を解こうとするが、なかなか進まないので時間ばかりとられている。誰でも、自分がよく知っている慣れた仕事なら短時間でこなすことができる。 しかし、要領がよくわからない仕事や、滅多にやらない仕事は、なかなか思うようにはかどらない。 数学の学習方法は、仕事と同じように考えることができる。基礎をしっかりマスターし、徐々に難しい問題を解く。その過程で公式等を自分のものとしていく。「急がば回れ」と考えることだ。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2008年6月15日号