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東海中学は、全国屈指の難関中学です。国公立大学の医学部合格実績が全国一であることが、その地位を不動のものとしています。この中学の算数の入試問題の難しさは群を抜いています。次に掲げる問題は大学入試問題によく似ています。この種の問題は東海中学の入試傾向に合致していますので、挑戦してみて下さい。
《問題》
じゃんけんをして、グーで勝てば1点、チョキで勝てば2点、パーで勝てば3点もらえるゲームをした。このとき、得点の経過は、
・1点になるまで…「1点」の1通り
・2点になるまで…「1点→1点」、「2点」 の2通り
・3点になるまで…「1点→1点→1点」、「1点→2点」、「2点→1点」、「3点」の4通り
となる。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)4点になるまでの得点の経過は何通りあるか。 答 7通り
(2)5点になるまでの得点の経過は何通りあるか。 答 13通り
(3)10点になるまでの得点の経過は何通りあるか。 答 274通り
この出題形式は、大学入試の形式とよく似ています。私なりの解説を致します。高校2年生に学習する「漸化式」を利用します。
《解説》
得点がn点になる場合の数をf(n)で表します。
得点が1点になる場合の数はf(1)で、1通りですからf(1)=1
得点が2点になる場合の数はf(2)で、2通りですからf(2)=2
得点が3点になる場合の数はf(3)で、4通りですからf(3)=4
(1) 得点が4点になるのは、次の3つの場合があります。
初めが1点のとき、残り3点のとり方はf(3)通り
初めが2点のとき、残り2点のとり方はf(2)通り
初めが3点のとき、残り1点のとり方はf(1)通り
よって、f(4)=f(3)+f(2)+f(1)=4+2+1=7
(2) 得点が5点になるのは、次の3つの場合があります。
初めが1点のとき、残残り4点のとり方はf(4)通り
初めが2点のとき、残り3点のとり方はf(3)通り
初めが3点のとき、残り2点のとり方はf(2)通り
よって、f(5)=f(4)+f(3)+f(2)=7+4+2=13
(3) 得点が10点になるのは、f(6)、f(7)、f(8)、f(9)、f(10)を順々に求めていきます。
f(6)=f(5)+f(4)+f(3)
・
・
・
f(10)=f(9)+f(8)+f(7)= …… =274
言葉で書くより、このような考え方のほうが、すっきりといきます。大学入試問題と東海中学の入試問題はいくつかの共通点があります。私は、こういった問題に出くわすと、感激してしまいます。