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個別指導のむつかしさ

昨今、個別指導をする塾の数が増加傾向にある。個別指導を利用する側の利点と経営者側の利点は何かを考えてみよう。

○利用する側の利点
�@ 他を意識することなく、自分のペースで学習できる。
�A 利用したい時間を自由に決められる。
�B 学習したい科目を自由に決められる。
�C 担当する先生を選べることがある。

○経営者側の利点
�@ 個人または個別指導という理由で比較的高い授業料が請求できる。
�A 生徒の数によって指導する学生講師の数を調整できる。
�B 個別指導だから常勤のベテラン講師を採用する必要がない。
�C アルバイト講師中心で運営するので、人件費が抑えられる。
�D 一斉授業ではないので、１教室でいろいろな学年の生徒を指導できる。

まだまだ利点はたくさんあるだろう。双方に利点が多いのだから、これが主流になるのも納得できる。しかし私は個別指導の利点よりもむしろ弊害の方が気になっており、個別指導全盛にはなってほしくないと考えている。敬倫塾でも一斉指導に不向きな人のために個別指導をしてはいるが、それはあくまで一斉指導の補完として行うものである。個別指導の弊害として、具体的には以下のような点が考えられる。

○個別指導の弊害
�@ 他を意識しないので、自分の問題処理能力が他と比べて著しく低くても、それを自覚することがない。また先生を独占できるため、依存心が高くなりすぎることがある。
�A 利用したい時間が自由に選べるので、教えてもらうという意識が低くなり、「こちらが利用してやっているのだ」という意識が高くなる。その結果、ルールに従うという気持ちが低下する。
�B 学習したくない科目には手をつけないので、特定科目だけが弱い場合はよいが、そうでない場合、特定科目の学力がつくことはあっても、バランスの取れた学力はつきにくい。
�C 担当する先生を選べるという利点はあるが、学校や社会では自分の好きな先生や同僚達だけに囲まれることはない。大人になって特に必要なものは協調性だと思うので、いろいろな先生に接したほうがよいと思われる。

効率だけを考えると個別指導の方が優れているという方もいる。

敬倫塾では、このようなマイナス面をなるべく克服できる個別指導をしていきたいと思っているが、私はやはり個別指導よりもベテラン講師による一斉指導の方が生徒にとっていいように思う。また、教師も生徒もルールを守り、尊重し合いながら学習していくのが理想であると思う。

皆様のご意見をお聞かせ下さい。