奨学金制度と敬倫塾の「特別奨学生制度」~ No.3~
【 奨学金問題 】
5月号では、1975年~2005年までの大学の授業料についてお話ししました。大学の授業料は上昇し、昔に比べ高額となりました。そのため現在では、大学進学者の約50%が何らかの奨学金を利用しています。諸外国では奨学金の相当分が「給付型」であるのに対し、日本の奨学金のほとんどが「貸与」であり、日本学生支援機構の奨学金は全部が貸与でした。機構では、当初、無利子の奨学金(第1種)の一時的な補完措置とされた有利子の奨学金(第2種)が拡大を続け、今やその事業予算は無利子の3倍です。延滞金の利率も年10%と高く、返しても元金が減らないケースが少なくありません。
3か月以上の延滞者の年収の割合
100万円未満 | 100~200万円未満 | 200~300万円未満 | 300~400万円未満 | 400万円以上 |
39.4% | 23.7% | 20.3% | 10.3% | 6.3% |
非正規雇用等の不安定・低賃金労働の拡大等により、卒業して安定した収入を得て奨学金を返済できる環境は大きく崩れています。機構の奨学金の3か月以上延滞者のうち、46%の人が非正規労働者または職がなく、83.4%が年収300万円以下です。
奨学金の借入総額(資料:労働者福祉中央協議会) ※34歳以下で奨学金制度を利用した方
100万円未満 | 200万円未満 | 300万円未満 | 400万円未満 | 500万円未満 | 500万円以上 | 無回答 |
4.4% | 17.8% | 33.8% | 15.2% | 12.4% | 11.3% | 5.1% |
毎月の返済額(資料:労働者福祉中央協議会) ※34歳以下で奨学金制度を利用した方
1万円未満 | 1.5万円未満 | 2万円未満 | 2.5万円未満 | 3万円未満 | 3万円以上 | 無回答 |
15.5% | 25.7% | 25.3% | 11.6% | 5.3% | 9.1% | 7.5% |
奨学金利用理由(資料:労働者福祉中央協議会) ※34歳以下で奨学金制度を利用した方
家庭の負担軽減 | 学費に充当 | 生活費に充当 | 両親の勧め | アルバイト収入の不足 | その他 |
75.9% | 50.9% | 44.4% | 24.5% | 17.6% | 19.9% |
2017年から「給付型奨学金」の制度が発足しています。しかし、これを利用するには基準があります。ですから私立大学と比べ授業料の安い国公立大学への進学を考えませんか。