次年度の教科書

 現在、次年度教科書採択について決定がなされている時期では無いですが、5月20日付けで東京書籍のホームページで、学習指導要領の改訂に伴う、次年度からの新しい教科書の「年間指導計画」の略案の掲載されています。それに伴い、今回は英語について確認しました。

今回の変更点は?

 今回の学習指導要領はいわゆる「小改訂」ですので、前回の大改訂のように、現在完了進行形・原形不定詞・仮定法といった従来までは高校での学習内容が、中学校に降りてきたというものはなく、各学年とも各Unitのパートにおける「基本文」となる、新出文法項目について、大きな変化は見られません

 細かい変更点では、中2で学習する「従属接続詞」が現在はwhen、if、that、becauseの順になっているものが、when、if、because、thatの順に学習することになります。現在は副詞節を導く従属接続詞の途中で名詞節のthatを学習した後に再び副詞節を導くbecauseの順になっているのが、次年度からは、先に副詞節を導く従属接続詞を一通り学習した後に、名詞節を導くthatを学習することになるので、学校の先生方にとっては、授業が進めやすい形に変更されているのではないか、と感じています。

 また、中1ではLet’s Readは現在の教科書では2単元あるものが、次年度から最後に一単元のみの構成となります。

教科書の題材文は?

 教科書の本文内容が現時点では分かりませんので不明な点がありますが、先に述べた、中1のLet’s Readでは、現在の教科書では「City lights」(チャップリン)が使用されていますが、次年度の教科書では「Gon, the Fox」(ごんぎつね)に変更されます。

 それに対して、中2は変更が無く、「History of Clocks」・「A Glass of Milk」・「Pictures of Our Beautiful Planet」が従来通りに使用されています。

 中3はLet’s Read 1・2は現在と同様に「A Mother’s Lullaby」・「Power Your Future」となりますが、Let’s Read 3が「Coloring Outside the Lines」に変更されますが、この内容は学校の授業で扱わない場合が多いので、特に大きな影響は無さそうです。

現時点で考えられることは?

 題材が確認できないので、「年間指導計画」から推測すると、次年度の教科書では、中1の段階では長文を扱うより、単語・文法などをじっくり足場固めをする構成になっているように見受けられます。小学校で英語が教科化され、この近隣ではそれほど聞く話では無いですが、小学校での英語指導における学習の定着度の差が中学校の英語ででのテスト結果に影響を及ぼしている話も聞きます。また、近隣の中学校でも、英語のテストの平均点付近に分布が少なく、高得点で合った場合と平均点に満たない場合に二極化している傾向がみられているので、その点を考慮した上での改訂がなされているようです。

今、注意しておくことは?

 現在の小6生の方は中学校の最初の学年から変更のない教科書で3年間学習することになりますが、現在、中1及び中2の方は中学校の途中で教科書が変更されます。こうなったときに問題となるのが単語です。新しい教科書では既に学習済みとして扱われる単語が出てきます。現時点ではその数がどれだけになるか分かりませんが、次年度には、そのようなことがあるということを今のうちから理解しておきましょう。