HOMEはじめに塾長提言 > 2008年4月15日号

敬倫塾からの提言

二極化が進む明和高校 2008年4月15日号

 本年度、当塾には明和高校生の大学受験者が4名いた。望み通りの大学合格となった3人の進学先は、名古屋大学法学部、名古屋市立大学薬学部、愛知教育大学教育学部だ。いずれも自宅から通学できる、最高の結果だと言える。惜しくも涙をのんだのは、名古屋大学工学部機械・航空工学科に挑んだ者だ。彼は将来パイロットになりたいと思っている。そのため私立の同志社大学には合格したが、浪人する決心をした。彼が挑んだ学科は、名古屋大学工学部の中でも最難関の学科である。
 さて、今年明和高校を卒業した人たちに聞いた話を紹介しよう。明和高校生の大学合格状況についてだが、名古屋大学の合格者数が減少し、その分京都大学や大阪大学の合格者、国立大学医学部合格者が増加しているということだ。名古屋大学に合格することが最高だと思われた時期もあったが、今年は違うそうだ。 当塾にいた4人の受験大学についてみれば、全員が希望を大きく抱き、最善を尽くしたと思う。また、さらに難関大学を目指すこともできたと思うが、自宅からの通学を最優先に考えれば、選択は正しいといえる。明和高校の先生方は、今春の大学合格状況をおおむね喜んでおられるようだ。
 ところが、ここに心配なことが1つある。この春に高校3年生、2年生になった人たちで、成績不振者の割合がかなり高くなってきているというのだ。私個人としては、今年の当塾の高校3年生には大いに期待しているが、部活のためだけに学校に来るような人がどんどん増加していると聞かされた。目標を持っている者は大きな望みを抱き、それを実現するために自分を見失うことなく勉強と部活を両立させている。当塾の新高校3年生のほとんどはそうしていると思う。 私は自分の塾にいる明和高校生しか知らないが、学校の先生方が不安に思っておられるというのなら、それが現実であることを認めざるを得ない。
 3年前、当塾ではかなりの浪人生を出してしまった。その多くが明和高校生や瑞陵高校生であった。この年、当塾の明和高校生は3つに分かれた。
@ 入学当初から大きな望みを抱き、好成績を維持したグループ
A 部活にのめり込んでしまって、塾の授業への遅刻や欠席が多く、宿題の出来も悪かったグループ
B @Aの中間のグループ
の3つである。@のグループは、全員難関大学に進学した。Aのグループは、多くの者が浪人した。Bのグループの者は、難関私立大学を目指し合格した。  明和高校に入学しても、入学当初から頑張った者とそうでない者とでは、2年後、信じられないほどの差がついている。この学力差は、とても1年では取り返すことが出来ない。 部活動をすることは決して悪いことではない。しかし大学進学を目指して普通科の高校を選んだことを忘れないでほしい。 私は大人になって、一番要求されるのは、期限内に一定の成果を出すことだと思っている。難関国公立大学に現役で進学できるかどうかは、その人の学力ではなく、それを目指すための計画性であると思う。
敬倫塾塾長 加藤敬志
2008年4月15日号